週末音楽家

昨夜は某プロジェクト用に作曲のまねごとをしてました。
SIDEWAYS氏の歌詞に曲を付けようとしているのですが、能力不足でなかなか苦労してます。
詞先の場合、ヒントの多いクイズのようなもので、選択肢が狭まる分作りやすいとも言えるのですが。
詞の世界が持つどこかアンニュイな世界観と詞の中に一部暗に引用されているゴダールの映画から、ボクの貧相なイメージ力では、単純にフレンチ(ホント安易ですみません)という呪縛から逃れられなくなってしまいました。
ゴダールの映像のようにコラージュの技法を取り入れられないかなぁ、なんて思いつきで始めちゃって泥沼にハマり悪戦苦闘しています。
コラージュと言ってももちろんサンプリングの手法とか言うことじゃなく、いかにもフレンチの常套句的なモチーフをいくつか作ってそれを貼り合わせて、何かでっち上げてしまえないだろうかと。
フランシス・レイとかシャンソンとかのエッセンスを上澄みだけすくい取ってインチキ臭い感じも若干入れつつ、でもゴダールみたいに救いがない感じではなく希望の見えるものにしたいなとか。
思いつきは至って単純そのもの(しかも安い発想……汗)ですが、何しろ素人のやることですからなかなかそれを思う形にでっち上げる力量が無くて苦しんでます(苦笑)。
手法としてコラージュを拝借しましたが、ゴダールと違ってある程度脈絡あるものとして成立させたいと思うし。
あ、そんなんじゃダメだよ、という場合は遠慮無くご一報ください。
メロディは三分の二ほど、コード進行は三分の一ほどしかできてませんが、いつもの通り感覚だけで作って煮詰まっているので、気分転換に理論でも調べてみるかなと思い、また調べてみました。
今作曲中のこの曲について調べてみると、適当と言いつつも偶然にも今回は結構理論に沿った形になっていて、やや安心。
理論に収まれば安心ってのも変だけど、プライベートな物作りと違って、制作の過程で他の人が拘わってくるとなると、あまりにハチャメチャな自分の音楽では(恥知らずの自分とはいえ)ちょっと恥ずかしかったりするので。
ひとつのモチーフとしては、Imaj7―Im7―IVmaj7―VIIm6という展開で、これはどうやらII―V(ツー・ファイヴ)と言われるわりと古典的な手法らしいです。(正確にはII度の音は出てきませんが、仕組みとしてはII―Vの応用らしい)
II―Vという進行はシャンソンなんかにもよく使われている和声らしいので、フレンチねらいということでは一応理にかなってるようです。(有名なシャンソンの「枯葉」という曲なんかはもろにII―Vという進行らしいです)
自分が訳も分からず作ったもの(ボクの場合は完全に感覚だけで作ってます)を、後で理論の側面から解析してみるっていうのはちょっと面白いですね。
でも和声学っていうのは詰まるところが過去の遺産に対する後付の理論ですよね。
演奏したものがMIDIデータなどの数値として残って、それを後で編集してしまえたり、突っ込む傾向があるなと分析してみたりといった快感にも通じるものがあります。
ブレードランナー的というか、今なら浦沢直樹PLUTO的といいますかね。
子どもの頃あこがれた改造人間になったみたいなね。