2月の魚(poissons de février)

思えば去年の2月。
鯖のように丸々とした鯵を琉球にして美味しく食べたその2時間後。
差し込むような痛みがボクのいたいけな胃を襲ったのです。
痛みはやがて激痛へと段階を踏んで進み、このやっかいな相手と果てなき死闘を繰り広げることと相成ったのでした。
夜通し激痛と闘ったボクは翌朝にはすっかり憔悴しきって、病院に行く気力もありません。
それでも男の闘いは続くのです。激痛は容赦なく続くのです。
そして午後になってドラマはいよいよその大団円を迎えます。
胃(意)を決してボクは体を引きずるようにして近所の胃腸科へと車を走らせたのでした。
簡単な問診の後、内視鏡初体験。
のどに麻酔みたいなものを塗られて、確かなんかの注射を打たれた気がします。
その後内視鏡を飲んだのだけど、途中苦しくてオエッときた記憶はあるけど、実は注射と寝不足のせいか意識が混沌としていてよく覚えていないのです。
途中ドクターのいたいたという声は覚えていますが、ホント記憶が飛んでます。
ボクが死闘を繰り広げていた見えない敵の正体は寄生虫アニサキスでした。
よく噛めばもし虫がいても死んじゃってたらしいので、よく噛んで食べるべきでした。
親の言うことは聞くものです。
処置後、麻酔が切れるまで休んでいてくださいと看護士さんに優しく言われ、安堵したボクはそのまま深い眠りにつきました。
でも調子に乗って爆睡し過ぎたようで、もう閉めるから帰ってくれと迷惑そうに起こされたのでした。(爆)
再び新鮮な鯵の琉球に舌鼓を打ちながら、1年以上前のあの死闘に思いを馳せたボクなのでした。
そう。じっくりじっくりと噛みしめながら。(遠い目)