レインボー・イン・マイ・ソウル

終わりましたね。
フットボールの祭典、ワールドカップ
勝戦レ・ブルーアズーリ、またはトリコロール対トリコローレ。
コッテコッテのラテンイタリアン対ラテン国家ながら代表選手のほとんどが移民系というフランス。
この試合を最後に引退を表明しているジネディーヌ・ジダンアルジェリア系移民のフランス人であり、彼の活躍は移民排斥問題を抱える移民系フランス人にとっての希望でもあったわけです。
そもそも、今の強いフランス代表チームは、ジダンを始めとする移民系の選手を代表に組み入れてからのこと。
しかし、ユーロ96で惨敗した当時、差別感情からフランス国内では移民系(またはカラード)の選手を代表に入れることにかなり批判が持ち上がっていました。
ところが、98年地元開催のワールドカップで見事な優勝を飾って以来、今度はレインボーチーム(カラフルですからね)なんて呼ばれて、熱狂を生んだのでした。
世論のなんと浮気なことか。
フランスチームを見るとき、そんなお国事情もあり、心の奥でちょっと応援してしまうんですよね。
それにしても最後の最後に何があったのか、突然自棄を起こして暴力行為による一発退場。
よほどイヤな挑発を受けたのでしょうか。
歴史に名を残すような名選手の最後の試合をあんな形で終えるとは、何とも後味が悪い終わり方でした。
ジダン自身はそのまま引っ込んでしまって、表彰式にも出てこず。
そんな彼が皮肉にもMVP。
本人もきっと胸中複雑なのではないでしょうか。
ジダンと言えば温厚な人柄で知られるという枕詞がしばしば付けられたものですが、韓国戦で引き分けたことに腹を立て、スタジアムのドアを蹴り壊したというエピソードも残しており、実は意外とそういう人なのか?
しかし、若い頃からアフリカ系の移民と言うことで様々な差別を受けてきたジダンは、そうしたハンディキャップを乗り越えてトップに上り詰めた人物。
彼は誇り高いこんな言葉を残しています。

父はすばらしい人だ。彼は私に、すべての人に敬意を払っていれば、自分自身が人々から敬意を払われるようになるということを教えてくれた

しかしながら、今回の行為に関しては、敬意を払ったとは言えなかったですね。
とはいうものの、概ね彼はその言葉通りに生きてきたからこそ、多くの人から尊敬される存在となったのでしょう。
ジダン選手、お疲れ様でした。


ところで、この記事をアップする前にハードディスクがカチカチ異音を発して、フリーズ。
ガーン、死んだか。
と思ったのですが、もしかして熱暴走かと思いフタを開けてみたらすんなりまた動き始めました。
冷却がどうももう一つなんですよね、このマシン。
ちょっと考えなくちゃなぁ。