おじさんの冬

小春日和と言うにしても妙に暖か過ぎる日和の中、今日は半袖シャツにダウンジャケットを羽織って出勤。
職場はいつも暑いくらいの環境で、今の時期でも男性なら半袖姿でも別に違和感は感じない。
朝の天気予報で午後には寒くなると言っていたが、なるほど帰り道は若干息が白くなるくらいの寒さになっていた。
道中散髪屋に立ち寄ると、カットが終わる頃に通りの車が水しぶきを巻き上げる音が聞こえ始めていた。
店主が少し表に目をやりながら、傘は持ってきてますか? と訊ねるので、やはり降り始めているのだと知り、雨具のない自転車の帰り道が少し憂鬱になった。
幸いそれほど雨脚は強くならなかったので、散髪屋のすぐ先にあるセブンイレブンで軽く雑誌をパラパラと捲ってみて、何とも安っぽい食生活を象徴するかのようなクリームパンとスパゲッティ・ナポリタンを買って、小雨の中をもっとも濡れない速度に気を遣いながら自転車を漕いだ。
家にたどり着くと、昨晩あまり寝ていなかったので、帰宅後その分を取り返して明日に備えることに決めていたので、すぐに床に就いた。
25度設定の暖房が思いの外効き過ぎたのか汗ばんで目が覚めると、すでに夜8時を回っており、買ってきたナポリタンを頬張って安っぽい夕食を済ます。
この安っぽさが嫌いじゃないからグルメにはなれないなどと独り言つおじさんの冬はまだ始まったばかり。
明日からは一気に10度ほども気温が下がるらしく、いよいよ本格的な冬到来なのかもしれない。
今年ももう、残り10日も無いのだなぁ。
そう言えば、今年も田島番長のあれの時期。
これからゆっくり読みに行くとしよう。



Winter's Tale 〜冬物語〜 / 高野寛田島貴男