髪結いのDJ

夕べはすっかり気落ちしてキーボードの電源すらも入れる気になれず、身にまとわりつく熱気を扇風機でやり過ごしながらぼんやりと無為に過ごしてしまいました。
例の結婚式は8月の末。
間に合わせなくちゃという焦燥感がなんとなくついてまわり、蒸し暑さと共に部屋の空気を重く沈めてしまう熱帯夜。
ここで無理してでも作らなくてはという気持ちと、ダメなときはいくらやってもどうせダメという気持ちとがややこしく絡み合う無気力。
で、ぐずぐずと結局はキーボードとパソコンの前で何もせずにぼんやりと過ごしてしまうパターン。
ここら辺がダメ人間なんだなぁ。
もう新郎新婦の入場曲はダースベイダーのテーマでいいんじゃないの?
 
あぁ、そういえばそろそろ散髪しなくちゃ。
散髪とくれば、以前通っていた美容室の美容師さん、どうしてるだろうなぁ。
年寄りってのは何かと昔話をしたがるもんですが、ボクもご多聞に漏れず、ここで昔話ばっかりしてますのぉ。
いやねぇ、音楽好きの美容師さんがいたんですよ。
初めてその美容室でカットしてもらったとき、ずっとSoul2Soulが流れていて、当時まだそんなに騒がれる前のことだったので興味が湧いて、「これ、Soul2Soulですね」と珍しく話しかけてみたんですよ。
それがきっかけでその美容師さんが「知ってるんですか」と嬉しそうに堰を切ったように話し始めたのです。
それ以来、カットに行く度に熱い音楽談義ですよ。
南国なもんだから地元のクラブシーンはレゲエばっかりでダメだとか、友だちの美容師はDJが面白くなって結局今ロンドンで皿回してるとか。
ブラジルものが来てるよねぇなんて話をしながらセルメン*1探してるんだけど持ってるかとか。
その美容師さんも週に一回だけ、とあるお店で回してるからぜひ来てくれとしつこく誘われて困ったこともあったっけ。
しかもおごるから来てくれと強く誘ってくれたんだよなぁ。
あんまり深く拘わるつもりもなかったし、結局ボクはその店に行くことなく、ある日その美容室はなくなっていたんだけど、今頃彼はどうしているんだろうか。
もしかしたらどこかでヴィニール回してるのかなぁなんて、ちょっと気になったりしてます。
あんなに強く誘ってくれたのに、邪険にしてごめんなさいね。
実はクラブの雰囲気とか苦手です。子どもの頃からダンスは得意でしたが。
 
そしたら音楽マニアの友人も同じような経験をしていたらしくて、その友人はDJ美容師からいつもオリジナルミックスのテープを渡されてはダメ出しをしてたそうです。(笑)
ダメ出しするもんだから、そのDJ美容師もこれでどうだと待ち構えていたらしいですよ。
なんか美容師という職業の人にはDJ多いんでしょうかね?
ちなみにそのダメ出しの友人は今では立派な精神科医になってますけど、いつもいつもダメを出されていた美容師の方の心のケアは必要なかったんでしょうか。
ちょっと気になったりして。
 
って言ってもこれ、Soul2Soulの時代ですから随分昔のことですけどね。