謎はすべて解けた じっちゃんの名にかけて 灰色の脳細胞が……etc.

ボクは物事を本当によく考えない質だったようで、少しは物事を考えるようになった三十路を過ぎてからようやく気づいたしょうもない事っていうのが結構あります。
確認したことはないけれど、あるいは他の人にとっては極めて常識的なことなのかなと思えるようなことです。
例えば石けんを泡立てるのに、子供の頃からのクセでいつも両手を拝み合わせるように縦方向にこすっていたのですが、実際は円を描くようにして手と手をこすり合わせた方がよく泡立つだとかいうようなちっちゃなこと(笑)。
テレビなどで手を洗っている場面を目にすると、やっぱりそんな風に手を洗っているのできっと世間では常識なのだろうなぁと思うのですが。


で、最近気にかかっていたのが、しょっちゅう作っているトマトソースのスパゲッティのこと。
以前はホールトマトの缶詰を常備していたのですが、引っ越して狭いにも程がある部屋に済むようになってから、なるべく物を置かない生活になり、必然的に缶詰なども常備することはなくなったのです。
そんなわけで、サラダに使うトマトが余っているときなど、生のトマトを使ったスパゲッティを良く作るようになりましたが、これが意外にも美味しくて、どうしてだろうと疑問に思っていました。
味としては多分缶詰の方が濃縮されているはずだと思うし。
それでそんなことを時々考えているうちに、思いついたことがあります。
美味しいスパゲッティの条件の一つは、ソースの乳化にあると思うのですが、生のトマトの場合、種の周囲にあるペクチンがソースの乳化に一役買っていて、おそらくコイツがそのおいしさの犯人じゃないかと。
パスタとソースを絡めるのに茹で汁を使いますが、その茹で汁がうまく乳化してくれないと美味しいソースにはなりません。
まぁ、これもこの歳でやっと気づいたことなのですが。
最近そこに気づいてから、試してみたいと思うアイディアが一つありました。
アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノというシンプルきわまりないスパゲッティの食べ方があります。
ニンニクとオイルと唐辛子だけで作るってやつ。
これ、大量に作るときには美味しくできるのですが、独り分作ってもなんか美味しくありません(しかしこれをそんなにたくさん作る機会って滅多にないと思うのですが)。
何が違うのかなぁと思っていたのですが、トマトソースの件に気づいてからひらめきました。
麺をたくさん茹でると、茹で汁の中には麺のデンプン成分がたくさん溶け出します。
デンプンにもペクチンと同じく乳化作用があるので、たくさんデンプンが溶け出している場合には茹で汁とオイルが良く乳化してソースの絡みが良くなります。
ところが少ししか茹でないと当然溶け出すデンプン室も少ないので、うまく乳化してくれないのが美味しくない原因じゃないのかなぁ。
そこで今日ついに1つのアイディアを試してみました。
つまり、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ・エ・ファリーナとでも言ったらいいのか、ニンニクと唐辛子を炒めた仕上げにちょっとだけ(ホンの気持ち程度)薄力粉を加えてみたのです。
すると思った通り、いい具合に乳化してくれて凄く美味しいパスタ料理になりました。


これ、自分の中では大発見なのですけど、実際お勧めですよ。
是非今度試してみてください。


あと関係ないけど個人的メモ。
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