TALK LIKE SINGING

昨日は赤坂ACTシアターにて上演中の三谷幸喜脚本・演出、小西康陽音楽の「TALK LIKE SINGING」という舞台を観てきました。
例のNYでやってたというやつ。
事前情報は一切入れずに行ったのですが、三谷幸喜作品は好きだし、何よりも音楽が小西康陽ということで、そりゃもうボクの中では影響大な音楽家ですから、物凄く楽しみだったのです。
行ってみると、舞台手前にオケピがあって、6ピースのジャズバンド。
開場後しばらくしてバンドが音を出し始めて、しばらく続いたあと静かになったと思うと舞台が始まります。
ストーリーは、言葉がすべて歌になってしまうという設定の香取慎吾演じる主人公ターロウにまつわるエピソードで展開していきます。
彼が歌ってしまうのは彼の頭の中にいるバンドマンのせい。
言葉がすべて歌になってしまうので、世間に溶け込めず受け入れられません。
ボクはもちろん普通に話せるけど、世間の価値観と大きくずれているという点では物凄く共感。
そう言えばボクの頭の中にもバンドマンがいるんだよなぁ。
そして音楽を頭の中で鳴らすのです。
そんなわけで、舞台は終始音楽と共に進んで行くわけです。
要はミュージカルなわけですが、ミュージカルってどうにも嘘臭くなってしまうし入り込めない人は結構いますよね。
この脚本は、そもそも歌うことでしか言葉を発することができないという設定によって、そこをクリアするアイディアが効いてる訳です。
まぁ、設定自体が非現実的ですが、でも子供の頃から歌ったり踊ったりが好きだったボクにとってはとても共感できたのです。
そして奏でられる音楽はまさに小西サウンドで、心を鷲掴みにされるあのコード進行、メロディ、リズムが生バンドによってずっと繰り広げられていく夢のような2時間でした。
そして言語学者とターロウとの反目と恋が一つストーリー上のフックになっているのですが、脚本の三谷幸喜と音楽の小西康陽のようであり、言葉と音楽そのもののようでもあり、なんて思いながら鑑賞しておりました。
サントラなんか出ないんだろうなぁ。
帰りは一緒に行った人と八重洲でご飯食べてお腹も満足。
最後のオチはボクは分かっちゃったけど、それでも面白いいい舞台だった。